データベース千夜一夜第7回

データの加工命令(1)~レコードの追加とテーブルの作成 長谷川裕行
有限会社 手國堂

これまでに紹介したSELECT命令は、既存のテーブルからレコードを取り出す命令でした。ただ既存のデータを取り出すだけでは、活用したとは言えません。日々の業務で生まれるデータは、テーブルに蓄積することで意味を成します。さらに、既存のデータを削除したり書き換えたり――つまりデータを加工してテーブルの内容を書き換えていくことが、データベース操作の醍醐味だと言えます。

データ加工の第一歩として、レコードを追加する命令と新たなテーブルを作る命令を紹介しましょう。


サンプル・データベースについて
この記事では、第3回で紹介したデータベース「db1001ya-1.mdf」内のテーブル「商品_mr」を、サンプルとして使用します。SQLを実際に試したい方で、サンプル・データベースをまだ入手していない方は、第3回の最後のページからダウンロードしてください。データベースの使用方法も同じページに記載してあります。

なお、今回紹介しているSQLを実行するとサンプル・データベースの内容が書き換えられます。その後の仕様にはまったく問題ありませんが、気になる方は実行に先立って元のデータベースをバックアップしておいてください。バックアップの手順は、本文の最後に書いてあります。
- 目次 -
データを加工する
問い合わせだけでは仕事にならない
データの蓄積こそが基本
3つの加工命令
レコードの追加~INSERT命令
フィールドと値を指定する
INSERT命令の使用例
重複追加に注意
テーブルを作成する命令~CREATE TABLE
テーブルの新規作成
作成したら表示を更新
SELECTとINSERTの組み合わせ
SELECT命令で元データを抽出する
抽出したレコードを追加する
抽出と追加を1つの文にする
フィールドリストの指定
フィールド名が異なる場合の対処
データ型の対応に注意
テーブルを作るもう一つの方法~INTO句
SELECT~INTOで抽出と追加を行う
INSERT命令とSELECT~INTOの使い分け
あとがき
長谷川 裕行 (はせがわ ひろゆき)
有限会社 手國堂 代表取締役   http://www.hirop.com/

大阪芸術大学 写真学科講師。フリーライター。日経ソフトウェアなどに連載。
『ソフトウェアの20世紀』、『独習SQL』など著書多数。

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