4つの事業誕生秘話

グレープシティ創設の14年前、当社の創設者であるポール・H・ブローマン(のちに帰化し岩佐勝と改名)は、宮城県内にひとつの幼稚園を設立します。熱心な英語教育が評判となり開園から5年で園児数が500人に達すると、急増に対応するため会計処理のシステム化を検討。香港にて買い集めた大量の専門書でプログラミングを独学で勉強し、ダニエル ファンガー(現グレープシティ会長)らに教え託します。当時高価だったパソコンを購入するとダニエルらはそれを昼夜交代で使い、オリジナルの経理ソフトを独学で開発します。
公認会計士がこのシステムの出来に感動し「ほかの学校でも使いたい」といったことがきっかけとなり、商品化に踏み切ります。東北の県庁所在地で発表会をして売り出すと、噂は口コミで広がっていきます。現在の学校法人向け経理システム「LeySer - レーザー -」の誕生です。

LeySerシリーズの提供を続ける中、Windowsが登場しパソコン操作もマウスを使ってより簡単に操作する時代を迎え、それに合わせ“効率の良いプログラミング”の研究を始めます。米国ではさまざまな開発支援ツールが人気となっていましたが、当時の日本にはまだ普及していませんでした。将来的にWindowsの開発者が増えていくことが予想される中で、日本向けの開発支援ツールの需要を確信し製品化に踏み切ります。「Developer Tools - ディベロッパー ツール -」の誕生です。
現在では、日本独自の要求に応える仕様の追加や、お客様の声に応えた自社開発製品なども豊富にラインナップしています。また、これらの開発支援ツールは、現在もLeySerシステムの開発に貢献しています。

1980年代後半、岩佐が経営する幼稚園にひとつの贈り物が届きました。家庭用のビデオカメラです。その頃幼稚園では、毎年卒園生を対象にしたアメリカ研修旅行を実施していました。スタッフ達は3週間に渡って異文化に触れる子ども達の様子をこのビデオで撮影しました。子ども達の表情が生き生きと映し出されたこのビデオは、帰国後の保護者報告会で大変喜ばれます。これをきっかけに本格的なビデオカメラをレンタルし、園の行事を動画で記録し園児の様子を紹介するようになります。
当時から岩佐は「将来テレビとパソコンは一体化する」、「映像をやるなら本格的に」と語っていました。ついに1990年代半ば過ぎ、園の一部屋を改造して、先端のビデオ機材と3Dシステムを導入した編集室を立ち上げ、より専門的なスキルの習得に力を注ぎます。こうして蓄積した技術と制作チームを母体として生まれたのが「WINEstudios - ワインスタジオス -」なのです。
東北ならではの自然豊かなロケーションを活かしたWINEstudiosでは、企画提案からブランディング、制作、プロモーションまでを担う総合的な映像制作事業を展開しています。

「世界で活躍する国際人を育てよう。」幼稚園では当初から英語教育に力を入れていました。単に英語の成績が良いとか発音がきれいといったレベルではなく、英語を使ったコミュニケーションがとれる子供を育てるにはどうしたらよいか。真の英語教育の形を追求し続ける中、1980年代にヨーロッパでEU統一に向けて母国語+1言語の習得が掲げられた際の第2外国語取得の方法論が、思い描いていたものに近いことを発見します。ここから、自分たちが求めている英語教育を形にするための独自の研究が加速しはじめます。英語を科目ではなく、あくまで言語と捉え、母語を習得するのと同じ方法で子どもたちが毎日の生活の中で英語に繰り返し触れる環境をつくっていけば、少しずつ理解し、英語でも自分の思いを表現できるようになる土台を着実に築いていけるという考えです。
この結果完成したのが、「緻密な計算に基づき、子どもたちに重要な楽しい体験とその繰り返しをふんだんに盛り込んだ教材」、「効果的なレッスンを行うためのトレーニングやマニュアル」、「学園や教師対象の手厚いサポート」で形成される総合カリキュラム「GrapeSEED - グレープシード -」です。
GrapeSEEDで使われているアニメーションの制作は、当社WINEstudiosが担当しています。

岩佐は常に最先端の情報にアンテナを張り、多くの雑誌をチェックしていました。気になる記事があると付箋を貼っては担当者に読むよう薦めていました。そして将来のITの発展を予見しさまざまな構想を語り、それを実現していきました。
一見、関連のない事業に見える4部門は、それぞれ生まれるべくして生まれたと言えます。そのすべての根底にあるものは、創設者である岩佐勝の「日本人のために役に立つことをしたい」という強い想いと、「欲しいものが無ければ自分たちで作り上げていこう」というタフなものづくりの精神と言えるのです。