作る物は違っても「ものづくり」には相通ずるものがあります。経験を積み自信を深め、自分の信念を貫きつつ、人に喜ばれることを最優先に考える。プロフェッショナル達が作る物、作る思いを紹介しています。


こだわりを訪ねて

[伝統こけし] 明治時代に生まれた伝統こけしは、海外からの人気を集めています。日本の伝統を受け継ぐ木地屋の技は、日本の誇り。国境を越え、世代を越え、そしてずっと先の未来へ。

遠刈田こけしとは。

東北各地に伝わる「伝統こけし」は明治時代に生まれ、丸味を帯びた姿と
愛らしい顔立ちから木の子ども「きぼこ」などと呼ばれていた。
湯治場の代表的な土産もので女児の抱き人形として愛されてきたが、
いつしか大人の観賞品へと発展し、いまでは日本の伝統工芸品として
海外からも高く評価されている。
地域ごとにそれぞれの特徴が伝承された「こけし」。
なかでも華やかさで際立っているのが遠刈田のこけしだと
いわれている。
やや大ぶりの頭に赤い髪飾り、三日月型の瞳にほほ笑みを
たたえ、胴には鮮やかな赤い花もようが描かれている。

こけし工人の技。

材料となるのは水木やかえでの樹。適度な長さで荒削りされた木材をロクロに取り付け、驚くほどの速さで回転させながらカンナで形を削っていく。ヤスリで磨きをかければ、木地のぬくもりを残したこけしの姿が現れる。描彩には難しい形にもかかわらず、なめらかな筆の運びにより白木のこけしが、たちまち赤や黄色などあでやかな色の着物をまとう。末長く大事にされますように。工人の思いが、こけしのやさしい表情に表れる。

写真「こけし工人の技 01」 写真「こけし工人の技 02」 写真「こけし工人の技 03」 写真「こけし工人の技 04」

木地師、佐藤哲郎。

名人と呼ばれた叔父の吉之助氏のもとで修業し、父であり名工であった吉弥氏の名を襲名する。叔父から継いだ優美さと父譲りの力強さを兼ね備えた氏のこけしは定評があり、40年にもわたり数々の賞を受賞。経済産業大臣指定の「伝統工芸士」に認定されるなど、名実ともに先代をしのぐ活躍を続けている。