第2回
Cプログラミングのお膳立て

VC++ Exp.のお作法(1)~開発の準備

前振りはこのくらいにして、早速Cの基本に入りたいのですが、その前にVC++ Exp.のお作法を簡単に紹介しておきます。

VC++でコンソールプログラムを作る

統合環境のVC++ Exp.では、コンソールモードで動くプログラムを作る場合でも、まずプロジェクトを準備しなければなりません。メニューから「ファイル」→「新規作成」→「プロジェクト」を選択します。

「新しいプロジェクト」ダイアログボックスがオープンするので、「Visual C++」の[−]マークをクリックしてツリー構造を表示させ、「Win32」を選択して「Win32 コンソール アプリケーション」を選びます。

下部に「プロジェクト名」を入力し、さらにその下の「場所」でプロジェクトの保存先を指定します。Visual Studioをインストールすると「マイ ドキュメント」フォルダ(My Documents)内に「Visual Studio 2005」→「Projects」フォルダが作られるので、その中に練習・テスト用のフォルダを作るとよいでしょう。


ソリューションとプロジェクト

Visual Studioでは、1つのプログラム開発をプロジェクトで管理し、さらに関連する複数のプロジェクトをソリューションという形で一括管理するようになっています。そこで僕の場合は「ConsoleC」フォルダを作り、連載1回分のサンプル・プログラムを1つのソリューションとして、その中に複数のプロジェクトを保存することにします。

その場合、上述の画面(画面2)で「ソリューションのディレクトリを作成」をチェックしておきます。例えば今回2つのサンプルを提示するとしたら、ソリューション“ex01”の中に“01”と“02”の2つのプロジェクトを作ります(ソリューション名を“ex01”、最初に作るプロジェクト名を“01”とします)。

これはあくまでVisual C++ 2005(Express版を含む)を使ってコンソールモードのプログラムを作る場合の、それも筆者である僕の環境での前提であって、読者のみなさんが同じ設定をしなければならない訳ではありません。

なお、仕事でVisual Studioを使っている人は、プロジェクトの保存場所を仕事用のフォルダとは別のフォルダに変更してください。仕事と練習用のフォルダが同じだと、間違いの元になります。




ウィザードでテンプレートを作る

以上の設定をして[OK]ボタンをクリックすると、画面3のような「Win32 アプリケーション ウィザード」のダイアログボックスがオープンします。このウィザードで、コンソールモードのプログラミングに必要な設定が行われます。[次へ]をクリックすると画面4のような画面に切り替わります。

「アプリケーションの種類」では「コンソールアプリケーション」のオプションボタンを、「追加のオプション」では「プリコンパイル済みヘッダー」のオプションボタンをそれぞれON(有効)にします(最初に「Win32 コンソール アプリケーション」を選択すれば、これらは標準でONになっているはずです)。

[完了]ボタンをクリックすると指定した場所にフォルダが作られ、そこに必要なファイル群がコピーされます。そして、画面5のようなエディタの画面に切り替わります。


mainではなく_tmain関数

Visual C++でコンソールアプリケーションを開発する設定をすると、エディタ・ウィンドウには画面5のようなコードが表示されます。これは、Visual C++が予め用意したテンプレートです。

本来のC言語はmain関数から始まりますが、Visual C++ではこれが“_tmain”関数となります。この_tmain関数の定義内({~}の間)に、本来ならmain関数内に記述すべきソースコードを記述していきます。それ以外、基本的なCの作法と大きく変わるところはありません。

上述のような構成の場合、肝心要のCソースファイルは

My Documents→Visual Studio 2005→Projects→ConsoleC →ex01→01

フォルダに保存されている“01.cpp”となります。拡張子はcppですが、Cのソースファイルを記述できます。

リスト1:自動生成されたコンソールアプリケーションのテンプレート
// 01.cpp : コンソール アプリケーションのエントリ ポイントを定義します。
//

#include "stdafx.h"

int _tmain(int argc, _TCHAR* argv[])
{
	return 0;
}